「まずは、ちょっと、家族サービスせなアカンかなと！」岡部政樹（３）

１/10(土)、八幡市民体育館で行われた関西フットサルリーグ最終節で、MESSE OSAKA DREAMの岡部政樹選手(45歳)が引退を決めた。リーグ最年長。関西プレリーグ時代(前)から、関西フットサルを引っ張り、「関西のミスターフットサル」と呼ばれた岡部さんから、最後(？)のメッセージを受け取ってきました。

　以下、岡部さんの試合後の言葉です。

―――関西リーグに伝えたいことはありますか？

　ボクはプレリーグから参加させてもらって、協会の人もそうですし、最初は関西リーグをつくるのに苦労されたと思いますし、チームのボクらも最初は『大丈夫なんか？』と不安を抱えながらスタートしたいきさつがある。

　でも、今って、みんながつくってきてくれた場所で、若い子らもポンッと、上手くてセレクションに通ったらすぐにココでできる。でもこの環境があるのは、そうやって築き上げて来てくれた人たちが居るからこそ。

　そして、そこで築き上げて来てくれたモノにただ乗っかるんじゃなくて、『さらに良くしていこう！』と言う気持ちを持ってやって行って欲しい。そこは強く思います。

関西リーグ 2007。旭屋戦。若い！(笑)

―――今後の予定は？

　チームのことはある程度はやってあげないとアカンと思う。

　正直、やりたいことはあるんです。ボクシングでもお世話になっているんで･･･。ボクシングでトレーナーのライセンスも取ったりしてたから。ボクを教えてくれた人らは年齢が高くなっていっているので、「代わりに」というオファーは正直あるんですよ。

　ただ、それはね、「やる！」となったら相当な覚悟が必要やし。フットサルもね･･･、こんだけお世話になってるので、協会とチームの橋渡しやクッションができたら、もう少しいいことができるんちゃうかなーと思ったりもするし･･･。

　まぁ『何をやろうか』というのはまだ自分の中で答えが出ていない･･･。自分はやりたいタイプやから、ホントやったら選手としてやってるのが幸せなんやろうけど、それをやるには覚悟が必要なので。試合に出るためには普段からやっておかないといけないので。

　「何やります！」というのはちょっと･･･。終わってまだすぐやから･･･。まぁでも、ちょっと家族サービスせなアカンかなと！子どももほったらかしじゃないですけど、親とかにはほったらかしと思われてたりしますから。

　一番下の子が一応サッカーもやっているから。もうちょっとこうなって欲しいと思っていることもあるので。もうちょっと子どもに時間をつくってあげれたらいいかなと･･･。

　以上です。岡部さん、ありがとうございました！

　自身が注目を浴びることを好まない男は前日夜、自身のブログでひっそりと"引退を決意したこと"を発表しました。それを受けて、久しぶりに関西リーグの会場に足を運んだオールドファンも居れば、インタビュー中にも「引退を撤回しろ！」と荒っぽく割り込んでくる人(笑)や、お礼や挨拶に来るフットサル仲間が何人も居ました。

「周りに成長させてもらった。一番下手くそやったから、今まで続けられた」という岡部さんのプレーはいつも"全力プレー"でした。

　フットサル、サッカー経験なし。元プロボクサーという異色の経歴。そんな岡部さんが40歳を過ぎても、関西のトップリーグにしがみつく姿に、勇気と希望を与えられて来た選手は少なくないハズです。

　ドリームもまたそんな岡部さんを象徴とするような、あえて悪い言葉で言えば"あきらめの悪いチーム"でした。どれだけ点差が開いても気持ちを切らさず、最後までファイトするチームで、何度も心を揺さぶられました。その"魂のフットサル"は今後も伝承されていくことでしょう！

　岡部さん、たくさんの感動ありがとうございました！そして、これからもフットサルをよろしくお願いします！

＞＞「自分を育ててもらえた。というのが関西リーグにはある」岡部政樹（１）
＞＞「そういうのがひとつひとつ、自分の自信になった」岡部政樹（２）

レポート・写真：北谷仁治

「まずは、ちょっと、家族サービスせなアカンかなと！」岡部 政樹（３）

「まずは、ちょっと、家族サービスせなアカンかなと！」岡部政樹（３）