「そういうのがひとつひとつ、自分の自信になった」岡部政樹（２）

１/10(土)、八幡市民体育館で行われた関西フットサルリーグ最終節で、MESSE OSAKA DREAMの岡部政樹選手(45歳)が引退を決めた。リーグ最年長。関西プレリーグ時代(前)から、関西フットサルを引っ張り、「関西のミスターフットサル」と呼ばれた岡部さんから、最後(？)のメッセージを受け取ってきました。

　以下、岡部さんの試合後の言葉です。

―――印象に残っている対戦相手、試合は？

　ケンタには公式戦では勝った記憶がない。あ、そうか。１回ドリームチャンピオンシップというマグの大会で１回アスパに勝ったな･･･。１回だけ。

　ケンタはもう最初から『ひとつ違うな』というのが最初からあったし。やっぱりうまいのはうまいけど、ただうまいんじゃなくて、気持ちをすごい持ってやってるヤツやなと･･･。「フットサルはこのままじゃアカン」という気持ちを常に持ちながらやってたから、リスペクトの気持ちを持ってやってた。

　自分がここまで頑張れたのは、ケンタが関西から関東に行く時、「ボクは関東に行ってしまうけど、関西をよろしくお願いします」とボクに言ってくれた。それは、結構ボクの中では重みのある言葉やったから･･･。ボクなんかに日本代表になった選手がそう言ってくれるのは光栄なことやし。自分は何ができるわけじゃないけど、この年齢になっても関西リーグで頑張っていることが人づてに伝わったり、誰かが見てくれていたらそれでいいかなーというのがあったので、関西リーグで頑張ってこれた。

　スズも関西に居たときは、苦労した人間やし、そういうこと知ってるから今でもＦリーグでも頑張って欲しいという気持ちもあるし･･･。ピッチで一緒に戦ったときもスズには倒されたりもしたけど、やっぱり、倒されるということが自信にもなったしね。いいモチベーションにもなった。

　哲平もカスカヴェウ関西に居た時は、哲平のマークを外してゴールを決めれたりとかあったから･･･。アイツは覚えてないと思うけど･･･。そういうのがひとつひとつ、自分の自信になったりとか、ひとつひとつ自分のモチベーションになったりした。

　向こうはたぶん何とも思ってないと思うけど。ボクからしたらみんな『すごい選手やな～』と思いながらやってきてたから･･･。そんな選手の中で自分がゴールを決めれたとか、アシストをできたとか、チームに貢献できたりとかして喜んで、戦っていく中で、成長させてもらったと思う。

　だから『人間てどう転ぶかわからんな･･･』って教えてもらったのもフットサルだったと思います。

関西リーグ 2008。高槻松原戦でゴールを決めて

―――「関西のミスターフットサル」と呼ばれるようになりましたが？

　あぁ、あれはね･･･、アスパの子らがつけてくれたとか、ようわからんけど･･･。自分の中ではそんな･･･カリスマとか書かれてもまったく自分では思っていないし、ボクはチームで練習やっていても、一番自分が下手やから、『頑張れへんかったら後がない！』という気持ちでやってきたんでね。
　
　逆にそういう気持ちでやってたのを、人が勝手にそういう風に言ってくれたのかなぁと･･･。自分はホント、そう呼ばれるのに対して『あぁそうやなぁ』と思ったことは一度もないですよ。

　まぁ評価っていうのは他人(ひと)が言ってくれた評価で決まると思う。自分で「頑張ってる」って言っても、『お前、それ、全然頑張ってへんで』というヤツもいっぱいおるしネ。

　あんまり自分で「頑張ってる」というのも好きじゃないから。うまい下手というのも関係ないと思ってやってきたから。デウソン神戸でやった廣瀬もそうやし、そういう一線級でやった人たちと一緒にできるということは、そういう気持ちを持ってやってたのが、良かったのかなぁと･･･。

　まぁそういう風に呼んでもらえてありがたかったかなぁと･･･。始めは「そうやって冗談で、おちょくって言わんといて」と言ったりもしたんですが、そうやって言っててくれる人が居ると、自分がやってきたことも少しは間違いじゃなかったのかなぁ･･･と思わせてくれるし、ありがたいですね。

関西リーグ 2008。近鉄戦では試合を決定付けるゴールを叩き込んだ

＞＞「自分を育ててもらえた。というのが関西リーグにはある」岡部政樹（１）

レポート・写真：北谷仁治

「そういうのがひとつひとつ、自分の自信になった」岡部 政樹（２）

「そういうのがひとつひとつ、自分の自信になった」岡部政樹（２）