次々に子どもたちのフットサル環境を整える。azzurroの挑戦（７）

◆プリメイロクラスはがっつり１時間半の戦術練習

　普通のクラスは18:00スタートで１時間半の練習。

　まずはアップで基礎練習も含んだ内容で。テニスボールリフティングなどもよく行うと言う。「ただ単にリフティングしても何も面白く無い」(中尾氏)ので、向かってくる相手の頭を超えたり、笛の合図で蹴り合いが入ったり、"遊び・ゲーム"の要素も取り入れながら。"ジグドリ"もやっているという。１列にボールをドリブルしながら進んでくる人をジグザグにドリブルで抜いて行く。ルックアップのために進んでくる人は片方の手を挙げていて、その手を確認して、手の方向に抜いて行く。

　対人も必ずやる。１対１や２対２。ゲームの局面を使って、カウンターであったり、切り替えの要素を必ず加える。最後にはその日のテーマを取り入れ紅白ゲームをする。ここまでで一般クラスの練習は終了。

　19:30～21:00の１時間半で、プリメイロクラスの練習が始まる。この１時間半はひたすら「戦術練習」だと言う。つまりプリメイロの選手は１日３時間の練習を行っている。

　シュート練習はやっているが、「頻度は少ない」「なかなかできていない。だからシュート力が弱く精度はイマイチ」と言う。
　パターンの決まったシュート練習は行わず、ここでもゲームをイメージ、想定したシュートで練習を行うとのこと。

　最後のゲームでは、ゲームを止めてアドバイスやデモンストレーションすることもあるが、止めても１回、２回だと言う。

　「とにかく１回の練習で何を持って帰るかが一番大事」で「その日１個でいい」と言う。例えば"ターン"であったり、"１対１での駆け引き"というテーマを設定したら、それが出ればOKで、他に気になるところがあってもテーマ外ならば「言わない」のだと言う。

　"１人１人しっかり見る"のも信条で、(集中のし過ぎで)練習が終わったら「頭が痛い」と言う。テーマに対してできているか。どんなアドバイスを与えた方が良いか。
常に目と頭を回転させながら、子ども達に視線を配っている。

◆次々とフットサルの環境もつくり出している

　基本的に春、夏、冬、バーモント前に事前合宿や遠征に行く。中尾氏自らマイクロバスを運転して行く。「遠征で大きく(子どもたちの)モチベーションや技術が上がる」という中尾氏。特に「関東の良さと関西の良さの両方を持っている」という東海に好んで遠征に出掛けていく。

　今年は関西ジュニアフットサルリーグも立ち上げ、夏にも、azzurro WAKAYAMA FESTAというジュニアとジュニアユースの２日間にわたる大会も立ち上げた。秋にはジュニアユースの選抜チームを組んでタイ遠征も敢行。自チームだけでなく、他チームも交えて、ジュニア、ジュニアユースを強化する、切磋琢磨できる環境を整えている。

　「良い」と思えることは即、実行。その情熱と行動力は、確実にazzurroジュニア、ジュニアユースの子どもたちにも伝播しているに違いない。どういった選手が出てくるか？だけでなく、どういった人間に成長するか？も、非常に楽しみなクラブのひとつだ。

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レポート：北谷仁治