全日本東海大会レポート DELIZIA磐田×MEMBER OF THE GANG

開催日◆2012年12月９日（日）
会場◆岐阜県・岐阜メモリアルセンター
試合時間◆前後半20分、ハーフタイム10分

DELIZIA磐田にとって、東海大会準決勝は「鬼門」だ。２年連続で名古屋オーシャンズサテライトに敗れ、あと一歩のところで全日本選手権出場権を逃している。今年の相手はMEMBER OF THE GANG。残り３節の東海リーグ１部で首位を争う相手だ。

立ち上がりはお互いにマイボールを大事にする展開。強引につっかけるシーンはない代わりに、パスを回し、シュートで終わろうとする意識が高い。変な位置でボールを奪われてカウンターを食らうことだけは避けたい。そんな思惑が感じられた。

少しでもボールをキープレンジから離すと、相手選手が寄ってくる。局面では激しい体の入れ合いが展開されていた。ただ、お互いにフェアなスピリットが保たれていた。ファールでゲームが止まることも多かったが、当事者同士でその都度タッチ。リスタートに向けて次の準備をする。テンポの良い、すがすがしい攻防が繰り広げられた。

16分の絶好機を逃したギャングに対し、デリッツィアが先制する。17分、左CKから門田雄輔が放ったシュートをゴレイロが前にはじく。詰めていた山崎淳史が抜け目なく押し込んだ。デリッツィアは18分に鈴木孝博が追加点。静岡大会決勝の退場処分で、東海大会１回戦をスタンド観戦せざるを得なかった鈴木。チームメートへの感謝を胸に出場した準決勝で、大きな仕事をした。

後半は、ギャングの攻勢が続く。コンディションが万全ではない木村雄一がパスの出し役になり、前線にボールを配給する。22分、キックインからの田所和幸のシュートはバーを直撃。愚直にプレスをかけ続けるャングだが、ゴールシーンは見られない。スコアは動かないまま時計は進む。
残り５分、ギャングは前線の本渡幸一、日下敬夫に早めに当てる戦術へ。フットサルではなくサッカーで言う「パワープレー」だ。37分には峯山宗丈のシュートのこぼれを日下敬夫が押し込み１点を返す。「ここまでは予定通りだった」（木村）。だが、デリッツィアはこれで大崩れしない。前がかりになったギャングの裏をついて、門田が貴重な追加点をもたらす。歓喜の瞬間はほどなく訪れた。
デリッツィアの赤堀隆寛コーチ曰く「今季一番の出来」。40分間、ほころびが少ない安定した戦いぶりだった。ギャングは少なくとも前後半に１度ずつあった相手ゴレイロとの１対１を決められなかった。木村は「小さな精度の差が１対３という結果につながった」と唇をかんだ。

デリッツィアは「３度目の正直」で東海大会準決勝を突破した。５年ぶり３回目の全日本選手権出場を決めた。過去２回は「ジュビロ磐田FC」名義。「デリッツィア」としては初の進出となる。
５年前は初戦のJOYフットサルクラブ戦に引き分けた後、D.C.旭川と湘南ベルマーレに連敗。不完全燃焼に終わった。当時の出場選手だった赤堀は「今度こそ勝ち星を挙げたい。初戦が大切になる」と、３カ月後の全日本選手権を見据えた。

［試合結果］
DELIZIA磐田 3-1 MEMBER OF THE GANG

［得点経過］
17分　1-0　山崎淳史（デリッツィア）
18分　2-0　鈴木孝博（デリッツィア）
37分　2-1　日下敬夫（MOTG）
38分　3-1　門田雄輔（デリッツィア）

［試合後のコメント］
●赤堀隆寛コーチ（デリッツィア）
東海大会は２年連続準決勝で負けていたので、今回はなんとしてでも勝ちたいと思っていた。一つの目標が達成できた。全日本まであと３カ月ある。選手層を厚くしたい。連戦で台所が苦しくなってしまうようでは、勝ち切れないまま終わってしまう。準決勝のギャング戦のような試合を持続できるチームにならないといけない。

●千葉武選手（デリッツィア）
2年連続で静岡から全日本選手権出場チームが出ていなかっただけにうれしい。みんなで気持ちを合わせて戦って結果が出た。全員の気持ちが入ったゲームだったと思う。選手権まで３カ月ある。今季加入の若手がトレーニングを積んで向上すること、僕らがうまく引っ張ることがチームとしての成長につながる。本気モードのフウガすみだ、（本田）拓磨のいるシュライカー大阪と試合ができればうれしい。

●大澤悠二選手（デリッツィア）
今季の目標を一つ達成できた。チームとしては合格点だと思う。（準々決勝は３ゴールの活躍だったが？）昨日は調子が良かった。今日は疲れが残っていたので、満足いかなかったところもあった。３月の選手権までに、シュートの精度を高めて、キックフェイントも磨いてもっと点にからめるようにしたい。チームの中には見習う選手がいっぱいいる。