日本代表候補トレーニングキャンプ２日目午後練習レポート

４/６(木)、テバオーシャンアリーナ(愛知県)で行われているフットサル日本代表候補トレーニングキャンプ、２日目の午後はミゲルのセッション。

アップ後に３グループに分かれてゲームを行い、グループが入れ替わる前にセットプレーを入れる。定番メニューだが、このいつもの練習が"休憩"に感じるくらい、初日と午前のチチョのフィジカルトレーニングは激しいことを改めて書き加えておく。

さて、午後のトレーニング。

チチョのアップメニューが面白かった。センターサークルを少し広げたぐらいのところに、マーカーを円状に配置。後ろに選手が２人ずつ並んだ状態からスタート。鬼が１人、サークル内に入る。周りの選手は、動いて、左右のマーカーの後ろに並ぶ。鬼は３人並んだところの先頭の人にタッチすれば交代。先頭の人は膨らんで(後ずさりして)逃げてはいけない。鬼は移動中の人にタッチしても良い。
　大勢の人間が一気に動くので、鬼だけでなく、先頭の人も首を振って、耐えず状況確認することが求められる。それでも右を確認しているうちに左から人が入ってきて３人になったりと、難しそう。

　途中から、黄色のマーカーを２箇所に置き、「黄色のマーカーのところは、鬼は、２人でもタッチしてOK」と条件追加。さらにしばらくすると、２色のマーカーがある地点を１つつくり、「２つマーカーが並んでいるところは、２秒以上居てはダメ」という条件が加えられた。

ここからミゲルにバトンタッチ。２グループに分かれて、移動しながら、フルコートで５対４のパス回し。フリーマン(小森コーチ)は、両方のグループのパス回しに加わる。久しぶりにボールを触る。片面でのパスは８本まで、ハーフラインを越えるパスはグラウンダーのみで浮き球はなし。２回パスカットしたら、オフェンスとディフェンスが交代。２球目のパスカット後、何本パスをつないだかで、交代できる人数が決まる。
　途中から、ハーフを超えるパスはダイレクトで、浮き球のみ。３タッチた以内と条件が変わり、さらにその後、フリーマンはダイレクトのみ。ハーフを越えるのはドリブルのみ。リターンパスはダイレクトのみ。タッチ制限なしに条件変更。さらにその後、ハーフを越えるのは浮き球のみ。自分へのパスもOK。と条件を変えながら、パス回しを続けた。
　
　その後は３グループで、フルコートで４対４のゲーム。星、仁部屋、木暮、小宮山、北原がビブスなし。青のビブスが原田、滝田、村上、小曽戸。白が完山、稲葉、松宮、渡邉。高橋はインフルエンザで練習を休んでいた。
　テーマは「ディフェンスはハーフからの押し上げ。相手がゆるいパスや、コントロールミス、背中を見せた時に寄せて、ラインを押し上げ、そこから前からプレスをかける」。それから「ライン間に入ってきときの間合い」に注意が与えられた。例えば前方に居たアラが降りた時、ミゲルのディフェンスは、(前から数えて)３番目の選手がベタづきせず、間合いを取る。べたづきして前方に３枚並んだ状態を一気に突破されてしまうことを防ぐためだ。「これをやらないと、またスペインで同じことでやられてしまうよ」と注意が飛ぶ。さらに「ボールが動いている間に寄せること。一発で飛び込んでかわされないこと。パラに対し縦を切ってあげること」と指示が続く。目新しいことは何も無い。あくまで、これまでの確認だ。「相手４人が全員視野の中に入る状態ならプレスをかけていいが、裏に走られている時などに、無理してボールを取りにいかなくてよい」という指示も。これは取りに行く時と行かないとき。バランスや状況確認が難しいところだ。声を出してのコーチングは必須となる。
　
　最初はピヴォを入れず。４人で押し上げ。押し込んでからピヴォが入る。２球交代で、交代前にセットプレー。セットプレーの際はディフェンスは手を後ろに回すという、軽い負荷が守備側に与えられた。途中から、３－１、前線にピヴォを置いた形からスタート。
　
　守備にテーマの重きを置いていたのか、ミゲルがゲームをストップしたのはディフェンスの確認のみ。２回とも同じ形。相手が後方３枚で回していて、中央からサイドにパス。出した選手がパスを出した方向に短く抜ける(カットインした)。中央の選手についていたディフェンスが抜ける動きに付いていったところでストップがかかる。
　ミゲルの指示は「ラインを高い位置に保て」ということ。中央のディフェンスは、首を振って逆アラが高い位置に居ることを確認できれば、下がらず、高いラインを保てる。抜けていく選手へのパスコースは、パスを受けた選手につくディフェンスが中(ななめ前へのパス)のコースを切って対応する。前方でピヴォが長いパラを狙っていれば、フィクソが(ピヴォの前に立って)対応する。
　
　後は毎回と言っていい程、セットプレーの確認が細かく行われた。動き、タイミング、ブロックの仕方など。オプションも増えていた。例えばキックインの「後ろ２」という、前１、後ろ２でゴールに向けて三角形をつくる形は、基本形に２パターンオプションが加わり、３パターンに増えていた。フリーでシュートに行く場面が多いし、実際にゴールネットを揺らすシーンも。セットプレーは日本の大きな武器になりそうだ。
　ただし欲を言えば、セットプレーでは後方に下げたり、逆サイドにループを送ったり、ゴールの遠目からシュートを打つ(打たされる)ことが多いが、日本はここから強烈なシュートを枠に飛ばすシューターが居ない。シュート力不足は永遠の課題かもしれないが、ここにスペシャリストが生まれたら、得点率は大幅にアップすると思うのだが･･･。暴論かもしれないが、サッカーから"シューター"を引っ張ってこれないだろうか…。
　
　約２時間の練習をこなし、日本代表はオーシャンアリーナを後にした。明日、４/７(土)も２部練が予定されている。