２/１(月)～３(水) 日本代表候補合宿レポート９

２/１(月)～３(水)、静岡県のエコパ・アリーナで開催された、フットサル日本代表候補合宿のレポート。

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第９回は最終日・３日目の練習レポートです。(３日目は午前練習のみ)

　アップの後は、３グループに分かれて４対２の鳥かご。ピッチ全面が８つのエリアに分けられている。「基本はダイレクトパス」だが、エリアごとに、奥から、１.右足ダイレクトのみ、２.左足ダイレクトのみ、３.右足フリータッチ、４.左足フリータッチ、５.右足ダイレクトのみ、６.左足ダイレクトのみ、７.右足フリータッチ、８.左足フリータッチ。というルール。
　「エリアをまたがるパスはNG」だが、「ドリブルで、次のエリアに移動はOK」だ。これまた頭を使うゲーム。最初は各グループ半面だけ。途中から全面OK。エリアを移動は３本パスをつないでから。など条件が変化していく。

　お次は昨日もやった、両サイドのゴールに向かってのシュート練習。センターラインに鬼が立ち、鬼はボールカットと、シュートを外した人を監視する。鬼が３枚、ラインを超えるまで５秒以上かけない、などルールが加えられていく。このメニューの後、給水の時間が取られた。

　給水後は、「プレス回避」がテーマの４対４。プレス回避は、センカイ(ミゲル式旋回)、ライン、クアトロ(４－０)の３つの形がトレーニングされている。ラインは左下に一枚。あとは中央に３枚が縦一列に並ぶ面白い形だ。クアトロ(４－０)はご存知、底が短いコンパクトな台形の形にポジショニングを取ってからスタートする。チーム分けは以下のとおりだった。

　青：小宮山、星、仁部屋、北原
　黄：横江、ブルノ、木暮、上澤
　オレンジ：吉田、渡邉、小曽戸、村上

　ポジションについてから、スタートの前に、ミゲルからディフェンス側に向けて確認が行われた。「相手が(旋回で)回ってきたら、守備側も回る。２－１－１のままじゃない。１－２－１になる。そうしないと真ん中が空いて、ピヴォにつなげられてしまう」

　確認の後、トレーニング開始。ここでも交代前に"セットプレー"を挟む。『往復』『斜め』『旋回』『ボール頂点』といったサイン名が飛ぶ。どのセットプレー(サインプレー)も、動き出しのポジションが決まっていて、そこからはディフェンスの陣形や応対によって、選択肢が変わってくる。「お互いやることはわかっているので、(練習の中では)なかなか決まらない」という話は、代表に限らず、どのチームの練習でも聞こえてくるコメントだ。それでも試合の中で少ないチャンスを決めるため。またゴールに近い位置で、止まった状態から４人が共通意識を持って仕掛けることができるセットプレーの精度を上げておくことは、直接、得点力アップに関わってくる、チームつくりでも重要な部分だ。「アジアインドアゲームズでも、重要な得点源となっていた」ことを、ミゲルも強調していた。

　インプレーの中では、フィクソに前に出られてしまったピヴォに向けて「絶対前を取ろう」というリクエストが飛んだ。２－１－１の真ん中(３枚目)のディフェンスが、低い位置まで降りていった選手についていったシーンでは「降りていったら前までついていかない。ついていくと前で３枚(ラインが)並んでしまうから」と説明が入る。こうしてミゲルが気になったところではゲームが一旦止められ、ポジションを戻して、確認・指示が与えられる。

　プレス回避について。「旋回(回転)した時に、ゴレイロの(ピヴォへのパスに次ぐ)最初の選択肢は左前の選手だ」という指示。回転方向、右サイドを駆け上がっていく選手は「一番(ディフェンダー)見られている」のがその理由。インプレー中のフィールドプレイヤーに対してもそうだが、ゴレイロに対しても、「見ている方向に(素直に)パスを出さない。体の向きを変える、方向チェンジをうまく使うこと」を要求していた。体が向いている方向にそのままパスを出せば、プレスにはまりやすい。方向を変えれば、逆サイドを(サポートに)降りてきた選手に、より高い位置で、パスを出せるかもしれない。

　また一番後ろの位置でボールを失った選手に対して「底辺でボールを失わない」という指示が飛ぶ。「いま(ディフェンダーが)２人来ているところだったよ」状況判断を求める声に続き、２度連続でのミスだったので、「試合なら２点失っているよ」と厳しい声も飛んだ。

　「旋回」のプレス回避の次は「ライン」の練習が行われ、休憩を挟んでは、紅白戦が行われた。ここでもテーマはプレス回避の「旋回、４－０、ライン」。
　攻撃陣に対して「相手が前からプレスをかけてきているときは、後ろの３枚で回そう。真ん中で寄せられたら前に抜けてしまう。ピヴォがパスコースをつくれるなら、縦にサポートに入ろう。一番簡単なプレス回避になるから」といった指示の後に紅白戦スタート。

　３日目の「４対４」「紅白戦」内の細かい指示についても、後日のレポートに分けることとします。(_ _)

　すべてのトレーニングメニューが終わった後、円になって、ミーティングが行われた。

　そのなかで「今までのことをよく吸収できていた。素晴らしい」という評価に始まり、今後の予定がミゲル監督の口から語られた。「スペイン遠征のメンバーリストは３/５～７に、チームを通じて伝えられる」こと。「４月に２回、合宿を行う予定である」こと。「５月のゴールデンウィーク明けぐらいに、海外のチームを招いて、国内での試合が予定されている」こと。これはおそらくアジア選手権に向けての"壮行試合"という形で行われるようだ。対戦相手に関しては「世界でベスト４に入るチームを予定している」ことなどが語られた。
　最後は固まって円陣となり、木暮、小宮山ダブルキャプテンの挨拶で、３日間の合宿が締め括られた―。