２/１(月)～３(水) 日本代表候補合宿レポート５

２/１(月)～３(水)、静岡県のエコパ・アリーナで開催された、フットサル日本代表候補合宿のレポート。

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第５回は３日目、練習終了後のミゲル監督インタビューです。今後は、練習の詳細(メニュー・内容を中心に)をお伝えしていく予定です。

タイムズ「３日間の合宿を終えられての感想から教えてください」
ミゲル「非常にポジティブに捉えています。守備のシステム、プレス回避、セットプレー、それぞれモヤモヤしていたものが、浸透度を上げてきていると思います。もちろん選手たちには疲れもありましたが、２日目、３日目もスピードのあるプレーを見せてくれ、非常に満足しています」

タイムズ「今回はこれまでの確認の意味が多く、新しいテーマは無かったのでしょうか？」
ミゲル「４－０、ライン(後ろのサイドに１人、後の３人が中央縦のラインを取る形)からのプレス回避については、新たにバリエーションを追加しました。ハーフから押し上げていくディフェンス、４－０や、３－１の形にトランスフォーム(守備の形を変えていく)やり方についても新しく確認したことです」

タイムズ「指示の中や、ゲームの中で選手たちが『ジャンプ』と言っています。どういう意味で使われているのでしょう？」
ミゲル「前の２枚の選手で、３枚の攻撃の選手を見ている状態のとき、短いパスが出たときなどは、後ろの選手にマークを受け渡すときに、そのまま前の選手にマークにつかせます。効率よくマークをするためです。スペイン語では『サルト』と言います」

タイムズ「２つ、プレーについて、細かいことですが教えてください。ピヴォの選手が後方に降りながらパスをもらう時に、フィクソの選手にカットされたシーンでピヴォに対し『必ず前でもらえるように』とリクエストされていました。フィクソの選手もインターセプトを狙っていると思いますが、ピヴォの選手がうまくボールをもらうためのポイントはどこでしょう？」
ミゲル「まずベットンのような選手で無い限り、構えて(止まった状態で)もらうことは難しいと思います。最初はディフェンダーの後ろに隠れておいて、タイミングを見て、前に出た瞬間にもらうことが大事だと思います」

タイムズ「もうひとつ。フィクソの位置(一番後ろのライン)で、ボールを失ったときに「最終ラインでボールを失わないように」と何度も指示されていました。危ない位置でボールを取られてはいけないことは選手たちも良くわかっていて、サポートなどが無くなることで(取られる)状況に陥ってしまうと思いますが、ボールを失わないためのコツはありますか？」
ミゲル「底辺でボールを取られないための"万能薬"はありません。大事なのは"見切り"ではないかと思います。ディフェンスがうまくはまったときは、見切ってロングボールででも逃げること。選手によっては、例えば仁部屋なら･･･例えばスペインのキケなら、ブラジルのマルキーニョスなら･･･、(簡単にボールを失わないので)『すぐにボールを切れ』と言わなくても良いかもしれません。一番大事なのはいいサポートをつくることだと思います」

タイムズ「３対３のとき、４対４のとき、紅白戦のとき、ゴレイロはエリア内から出てはならない。ゴレイロのスローは自陣でワンバウンドさせること。２つの制限ルールを設けています。その理由を教えてください」
ミゲル「攻撃のいい動きを引き出すためです。私はこのルールを"旧ルール"と呼んでいます。スペインの"本当の"フットサルが行われていた時代のルールです。ゴレイロの動きをエリア内に制限することで、エリア外で(攻撃側に)いろいろな現象を起こせます。単純に、ゴレイロが飛び出してきてクリアとは行きません。フィールドの選手だけでどう攻撃するか、またどう守るかという質が上がります。昔はスペインのフットサルも質が違いました。今はフットボールになってしまっています。(残念そうに語る)」

タイムズ「この合宿に召集されたメンバーでは左利きが菅原選手だけです。もっと左利きの選手が必要ではありませんか？」
ミゲル「年齢的なことも含めて考えると『いいなぁ』と思える選手が居ないのです。10年早ければ、甲斐選手を呼んでいたかもしれません。菅原選手はいま、日本でナンバーワンのパサーだと思っています。湘南ベルマーレの田中選手がいい選手だと聞いているので見てみたい。ケガからの復帰を待っているところです。今回の合宿を見てもらってわかると思いますが、左利きの選手が少ないことが問題にはなっていません。ここ何年かの内に、若くていい選手も出てくるでしょう。また状況は変わってくると思います」

フットサル日本代表はこの後、３月下旬から４月頭にかけてスペインに遠征。スペインの数クラブと対戦後、４カ国トーナメント(日本、スペインとあと２カ国)に出場予定。ゴールデンウィーク明けには国内で壮行試合が予定され、５/23(日)～30(日)は、ウズベキスタンのタシケントで開催される、アジア選手権に出場する。

レポート・北谷仁治

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