Fリーグ23節神戸×北海道戦レポート/MARIKO

前半９分、嵯峨祐太のシュートがバーに当たり、跳ね返ったボールを上貝修が決め、北海道が先制する。失点した神戸だが、１２分に山田　ラファエル　ユウゴのゴールで同点に追いつくと、試合を振り出しに戻した。後半、水上玄太のゴールで北海道が一度はリードするものの、直後に神戸が逆転。その後は、両チームともに得点を奪い合うシーソーゲームとなるが、最後は１点のリードを守りきった神戸が５－４で辛勝した。

「失点は自分たちのミスから。際どい戦いの中で、ミスが起きてしまうことで勝ちきれない」と小野寺監督が振り返ったように、得点を奪い合う激しい展開となったこの試合では、神戸が相手のミスからチャンスをつくり出し逆転すると、最後まで集中力を切らすことなく、北海道のパワープレーに耐え、接戦を制した。

第１５節、神戸は北海道に１－０と惜敗すると「北海道はチャンスのときに決めた。そこが差だと感じました。ゴールを決めなければ試合の流れはこないと思った」と原田浩平は悔しさを滲ませた。だが、この試合では、神戸が前半から多くのチャンスを生み出すと、後半に入り、山田　ラファエルのハットトリックや山蔦一弘のドリブル突破からのゴールなどで得点を重ねた。また、これまでは試合の終盤にゴールを奪われると、あと一歩のところで惜しくも勝利を逃していたが「相手にプレッシャーをかけるときも、全てタイミングが大事」（比嘉監督）と守備面での修正も勝利へと繋がる要因となった。試合後、「久しぶりの勝利。１勝するのにこんなに苦労をするとは思っていなかった。この試合では、チームが１つに纏まり勝利を掴むことができたので良かったです」とこの日、初めてキャプテンマークを巻いた原田は胸をなで下ろした。また「主力の伊藤選手、山元選手、岡崎　チアゴ選手がいない中、勝利できたことは自信にも繋がる」（原田）と振り返った。

神戸は第１７節の湘南戦以来、６試合ぶりの白星を飾ると、チーム状況は悪くないが勝ちきれないというもどかしい状況から一歩抜け出した様子だ。しかし、現在７位と低迷する神戸には課題も多い。その中でも、「ピヴォの選手は、シュートまでいけるがゴールを奪うことができずにいる。アラやフィクソの選手ではなく、ピヴォが点を取らないことには、チームの調子が上がってこないと思うので、決めるところで決めなければと思っている」と原田が話すように、勢いを取り戻すためにはピヴォの活躍が重要となるだろう。リーグは残すところ４試合となったが、全日本選手権へと繋がる大事な時期だけに、苦しい時間帯に得点を挙げることができるピヴォの活躍が求められている。