東北リーグ３節 DEAR BOYS×GRESTA - フットサルタイムズ

東北フットサルリーグ第３節・第３試合DEAR BOYS×GRESTA

日時：2009年６月21日(日)
会場：古川市総合体育館(宮城県)

前人未到。地域リーグ５連覇の偉業に挑むディアボーイズ

全国に出て差を感じ、メンバーの意識が変わったというグレスタ。さっそく面白いフットサルの片鱗を見せれくれた

　好ゲームだった。

　まず驚かされたのが５連覇を目指すディアボーイズ･･･ではなく、グレスタの"つなぐ"フットサルだ。ディアボーイズの前プレは速い。速い、上に激しい。おそらく、特に東北の中で戦う時には、絶対的な自信も手伝っているのだろう。プレスのかけ方に迷いがない。

　自分たちより格上のチームに激しいプレスをかけられた時。一番多く見られるのは、パスをつなぐコースを見つけられず、クリアに逃げてしまうということだ。ワンプレーワンプレーにリスクマネジメントが求められるフットサルでは、それもあながち間違ったプレーの選択ではない。と思う。
　でもこの日のグレスタは、理想の対処法を見せてくれた。どれだけ速く、激しいプレスをかけられても、落ち着いてキープし、最後まで局面を打開する道を探していた。後方での苦しいサイドチェンジのパスが繰り返され、ディアボーイズのプレスがはまった！と思われた瞬間、横パスを狙ったディアボーイズの裏を取って、ドリブルで駆け上がる場面もあった。どれだけ後ろでプレスをかけられても、頑張ってキープしながらも、この日グレスタは後方でのボールを奪われて失点するという形がなかった。最終的に点差は開いたが、この点は大きなことだと思う。グレスタがこういうフットサルを続けている限り、ゆくゆくは東北をリードするチームになることは間違いないと思う。

　試合は立ち上がりからディアボーイズが優位に進める。しかしシュートの精度が甘く、枠を捉えきれないシュートが続く。グレスタもキックインから、現在、東北リーグ得点王の３.藤枝が果敢にシュートを狙っていくが、左にそれる。

　グレスタはダイレクトも交えたパス交換で、ディアボーイズのプレスをうまくかいくぐっている。

　スコアが動いたのは13分、ディアボーイズは15.高橋がディフェンダーともつれ合いながらもシュートをゴールに流し込む。さらに同分、グレスタ陣内に押し込んだディアボーイズは、左サイドからのシュート。グレスタゴレイロ１.佐藤が懸命に弾いたボールを逆サイドから、10.柳館が押し込んで２－０。さらに16分には、センターサークルから、14.崎山が左に振ったボールをタッチライン際から11.新貝がダイレクトシュートで決めて、３－０。たたみ掛けるような攻撃で、ディアボーイズが３点のリードを奪って、前半を折り返す。

　後半立ち上がりの１分、ディアボーイズは、10.柳縦と18.佐藤のワンツーから、柳館が決めて、４－０。前半、ディアボーイズの21本に対し、シュート数が９本に押さえ込まれていたグレスタにはなかなかビッグチャンスが少なく、試合はこの時点で早くも決まってしまった感があった。

　29分、グレスタはタイムアウト後、５.岩本をゴレイロに入れてパワープレー開始。右サイド後方にシュート力のある３.藤枝を配し、主にここからのシュート、もしくはシュートパスを狙っているように見えたが、ディアボーイズも警戒すべき点がわかっていて、うまく対処してしまう。

　34分、タイムアウトを取ったディアボーイズも14.崎山をゴレイロに入れて、パワープレーを開始する。36分、追いかけるグレスタが５ファウルが溜まって、ますます戦況は苦しくなる。

　それでも36分、グレスタは右サイドから、３.藤枝のシュートパスにゴール左で７.竹村が合わせて待望のゴール。残り４分半以上あり、試合はわからなくなった。

　しかし37分、ディアボーイズは14.崎山が５点目を奪う。ゴレイロが前に出て、空になっていたゴールを見逃さなかったクレバーなプレー。さすがにこの失点にはガックリ来たか？グレスタは続けて、15.高橋にもゴールを許し、点差は６－１と開いてしまう。。

　グレスタは38分、またも７.竹村が、左サイドからゴール右上に突き刺す豪快なシュートで２－６としたが、同分、５.岩本がペナルティエリア内でのファウルで一発退場。10.柳縦のペナルティキックはゴレイロ１.佐藤がセーブしたが反撃の波に乗れない。39分にはオウンゴールで７点目を献上してしまったグレスタは、健闘しながらも２－７の完敗に終わった。

　グレスタの監督兼ゴレイロ１.佐藤は「なんとか前半を１点差で折り返したかった。ディアボ―イズさんは速攻からの決定率が高かった」と相手を称えた。この日の戦いぶりに関しては「練習でやってきた細かいことを意識したかったが、気合いが入りすぎて空回りした。やりたいことが裏目に出た。チームをコントロールできなかったキャプテンの自分のせい」と反省。パワープレーに関しては「最初からプレンに入れていた。練習が短く、未完成だったがチャレンジするしかなかった」と言う。それでも「勝ちにいって負けたので、得るものはある」と自信を見せる。
　３.藤枝も「完敗」と認めたうえで、「練習に来れていないメンバーも居たので、前半、いつもはやらない先発や、急造ピヴォをやってもらうことになった。ムービングフットサルをやりたかったけれど、スタンディング気味になって、ディアボーイズの餌食になった」と振り返る。ここまで得点王であることに関しては「止まった形ではなく、流れてずれたところでパスをもらって勝負するように意識している」と話す。それでもこの日の試合に関しては「前回の対戦では取りに来たところをかわせていたが、今日は見られて、シュートブロックに来られた。うまく対応されてしまった」と反省していた。

　それでも民間の大会とはいえ、ピヴォチャンピオンズカップでは初めてディアボーイズを破ったグレスタ。全国大会に出たことで「差を感じ、意識も変わった」という。チーム内は「今までのままではダメだ。変わろう。もっとうまくなりたい。強くなりたい」という空気が充満している心地よさがあった。この１年間での成長を、大いに楽しみたいチームのひとつになった。

　一方のディアボーイズ11.新貝選手。２勝同志の首位攻防戦だったがそういう意識はないらしく、「１戦１戦大事に戦うだけ」と冷静なもの。「ここで勝てないと上では勝てない。上でやりたい」とすでにその先を見据えていた。
　８.藤村も「とりあえず勝ててよかった」としながらも、この日ようやくグレスタから首位を奪っても「気にしない」と話す。２節まで無失点で来たディアボーイズ。この日も「ゼロで行きたかった」とあくまで目標は高い。「全国で戦うためには、もう少し攻撃をなんとかしないと･･･。セットプレーなども精度を上げたい」と課題を上げ、「残りも全勝したい」と締め括った。