語り草になる試合ジョイ10点差ゲームへの挑戦(２)

＞＞前半戦レポートへ

　後半は立ち上がりの２分、神戸ゴレイロに18大谷真一が倒されて得たPKを、11.馬場が決めて、４－２。さらに４分には、ゴール近く右サイドから中央に戻して、受けた９.大谷純一が決めて、５－２。ジョイが徐々にリードを広げていく。(それでもあと７点･･･)

　神戸もいつもどおり懸命に走り、球際も厳しく行くが、激しさが裏目に出て、残り12分30秒残して、５ファウルが溜まってしまう。

　９分、ジョイがゴール前でこぼれ球をつないで、押し込む。11.馬場のシュートはポストに跳ね返ったが、９.大谷純一が懸命に拾って、12.長束へ。長束が浮かせたボールを最後は再び11.馬場が押し込み、６－２。(あと６点･･･)

　懸命に戦う神戸は前半の４難波和樹に続いて、14.難波幸樹もイエロー。しかしこの第２PKはジョイがモノにできず、場内は溜め息に包まれる。(残り11分で６点。やはり10点差をつけるのはさすがに難しいか･･･)

　点差を広げてきたジョイにアクシデント。神戸の激しい接触プレーで、ゴレイロ２.斉藤が負傷退場。急遽、１.牧野が交代出場となる。
　ちなみに２.斉藤は試合前から故障を抱えており、ケガを押しての出場だった。

　それでも試合の流れは大きく変わらず。ジョイが流れをガッチリ掴んでいた。

　10分、左の12.長束の折り返しを中央９.大谷純一が決めて、７－２。12分には８.大槻が低いライナー性のシュートを逆サイドネットに突き刺して、８－２。あと４点･･･。"10点差"の大台に、徐々にスコアが近づいていく。
　『とんでもない試合を目の当たりにしているのかもしれない･･･』胸騒ぎが落ち着く時間はなく、妙な緊張感が、見ているこちらの全身も締め付けてやまない。

　12分、左の９.大谷純一から右の11.馬場につないで、馬場はゴレイロをかわしてシュート。これで９－２。(ついにあと３点。残り時間は８分。ここに来て、ジョイの大逆転での地域CL出場が現実味を帯びてきた･･･)

　それでも選手数が決して多いわけではないジョイ。休まずに攻め続け、得点続けることが求められているのだから、さすがに出場時間の長い９.大谷純一、11.馬場あたりに疲労の色が濃くなってきた。明らかに疲労が影響したパスミスや、シュートの精度落ちも見え始める。それでもボールが来れば、懸命に走り、全力プレーを続ける選手の姿には心が突き動かされる。

　33分、ジョイは９.大谷純一の反転シュート。最後は４.中本が押し込んで、10－２。(ついにあと２点！)

　そして35分、ジョイは９.大谷純一がこの状況でも、慌てて打たず、反転してから、落ち着いてシュートを決めて、この日５点目をあげたところで、11－２。ついにジョイが、地域CL出場へ、あと１点と迫った！

　点差はみるみる開いて入ったが、ジョイの勝利、そして地域CLへの執着心を称えるべき。ジョイもどこかで『神戸の気持ちが折れるだろう』という目論見はあったと思うが、神戸は最後まで気持ちを切らさず、どれだけ"勝利"の可能性が消えても、最後まで走り抜いていた。
　それを証拠にこのジョイの得点の直後、キックオフのボールをドリブルで中央を持ち込んだ11.森がシュートまで持ち込み、ミドルシュートを叩き込んで、３－11。一矢報いて、再び点差を縮めた。ジョイの一瞬の気持ちの隙を見逃さない、"勝ち気"な性格が生んだゴールだったと思う。
　『まだわからない！』意表をつく神戸の反撃に、場内が湧いた。
　冷や水を浴びせられた格好となったジョイには、またすぐに、緊張が走ったことだろう。『試合はまだ終わっていない』『神戸はまだ死んでいない』

　しかしその１分半後、ジョイは左サイドから、12.長束が決めて、12－３。再び地域CL出場に１点に迫った。残り時間は「３:48」だった。

　この試合の最後の得点は「01:03」に決まりました。

　すでに結果をご存知の方も多いと思いますが、あえて、この最後の得点がジョイ、神戸どちらのゴールだったか･･･？はここには記しません。

　結果をご存知でない方は、ぜひ関西リーグのサイトなどで、最終結果をご確認ください。(^^)

　結果がどうあれ、"40分間で10点差をつける"という条件に立ち向かったジョイのメンバーを称えます。
　そして敗者となり、関西リーグ降格が決まった神戸ですが、どんなに点差が開いても、気持ちを切らさず戦い抜いた姿勢に敬意を表します。

　関西リーグは面白い。

　フットサルは面白い。

　レベルが高いから面白いわけでもなく。見応えがあるワケでもない。

　選手たちが必死であること。死に物狂いであること。

　何かに挑戦している姿には、深い感動を覚えることを、この試合を通じて、あらためて感じさせてもらいました。

　フットサルを見始めて、10年近くになりますが、今までで一番面白い試合でした。

　またこんな試合が見たい！ので、ボクはまたフットサルを見続けます。(^^)