パラゴスト破れ、ディアーボーイズ４連覇！/東北プレーオフ

　東北リーグの優勝決定戦は、DEARBOYS SENDAI(以下、ディアーボーイズ)×Paragosto/T.F.N(以下、パラゴスト)。自他共に東北を牽引するチームとして知られる、この２チームの対戦となった。

　残念だったのは１日目の最終戦で、パラゴストの主力、９.斉藤選手がこの日の試合の出場停止処分を受けたことだ。
　これにより、パラゴストは人数不足(フィールド６人)、駒不足での対戦を余儀なくされてしまった。

　試合は２分、ディアーボーイズがキレイなシュートであっさり口火を切る。
　右サイド、８.藤村がななめ前、左サイドに送ったボール、途中で12.八重樫がスルーし、裏に走り込んだ15.高橋がゴールを陥れる。ディアーボーイズがさらに試合を優位にした。

　10.佐東と、浅利兄弟などに、キープや仕掛ける選手が限られ、攻撃が単発に終わっていたパラゴストだったが、ディアーボーイズのゴールからおよそ30秒後、ゴール前への長い浮き球に、２.高橋が合わせて、１－１、同点ゴールを奪う。少ないチャンスを確実にモノにするあたりに、パラゴストの勝負強さと、東北をリードしてきた"意地"を感じることができた。

　しかしディアーボーイズは、点取り屋の10.柳館がゴールほぼ正面から、目の覚めるような(ロングに近い)ミドルシュートを決めて、２－１と勝ち越し。攻め急がないディアーボーイズは、左サイド奥まで入っていたボールを一旦後方に戻してから、受けた柳館が中央にドリブルで進んでからの"一閃"だった。

　さらにディアーボーイズは９分、14.崎山の左サイドからトゥキックのシュートパスに、ゴール前、11.新貝がスライディングで合わせて、３－１とリードを広げる。パラゴストは前方で、サイドで10.佐東がキープしたり、仕掛けたり、孤軍奮闘のような状況になり、ディアーボーイズとしては対処がしやすくなってきた。前半で、ディアーボーイズが２点のリードを奪って、折り返す。

　後半、ディアーボーイズが１点でも奪えば、試合は一気に決してしまいそうな雰囲気だったが、パラゴストはゴールを狙いながらも、守備でもよく踏ん張った。10分、左サイドから10.佐東のサイドチェンジのパス。右15.浅利健に合えば･･･という惜しい場面だったが、シュートには行けず。しかしここからパラゴストがディアーボーイズ陣内に押し込む時間帯が増える。

　それでもやはり、引いて守る、本来のスタイルであろうディアーボーイズは、守らせたらやはり固い。パラゴストが押し込みながらも、時計は着々と進んでいく･･･。
　しかし16分、ついにパラゴストが均衡を破る。10.佐東が左サイドから、平行に、右にサイドチェンジしたボールを受けた２.高橋が逆サイド上、"ここしかない"というポイントにミドルシュートを蹴り込む。打った高橋を褒めるしかない、素晴らしいシュートで、２－３、パラゴストが１点差に迫り、試合はわからなくなった。

　19分、パラゴストは10.佐東のイエローで、ファウルが５つたまり、直後に第２PKを与えてしまう。しかし、ディアーボーイズ８.藤村のシュートは決まらず。ディアーボーイズは試合を決めることができない。

　残り１分を切ってから、パラゴストは15.浅利健がヘディングでつないだボールを８.浅井がシュートに行くなど、何度か決定機をつくり、スタンドを沸かせた。しかし、ディアーボーイズゴレイロ１.東元の踏ん張りもあり、ディアーボーイズが同点ゴールを許さず。３－２、逃げ切ったディアーボーイズが、東北リーグ４連覇の偉業を達成した。

　「勝ちたかった。意地を見せたかったが、立ち上がりの３失点が痛かった」と試合を振り返ったのはパラゴストの選手兼監督・浅利真。「向こうの精度の良さが出た」と敗因を語る。
　今季を振り返っては「昔からのメンバーで、出ずっぱりの選手も居たが、今年は若手が伸びてくれた。去年までは(大事な場面で)出せなかったが、よく成長してくれた」と話す。来季については「メンバーが少ないことが課題」「そろそろ若手にシフトしていきたい」とし、「ボールを運んでゴール前までは行けるので、そこからの打開を徹底したい。個人のレベルももっと上げないといけない」と締め括った。

　一方のディアーボーイズは、「年間12試合して１位になっても、２位・３位のチームも交えてプレーオフをするのはどうなのか？」(14.崎山)と疑問を呈しながらも「ここまで来て絶対に負けられないという思いは強かった」と、しっかり最後の結果を勝ち取った。
　「９.斉藤選手がいなかったので、10.佐東選手をいかにフリーにさせないか」を警戒したというディアーボーイズ。「失点は(相手の)スーパーゴールもあったし、10.佐東選手がでずっぱりになったことも、有利になったと思う」と振り返った。