名古屋が大分と接戦の末に勝利/Fリーグ14節レポート

　今、日本のフットサル界で一番の話題と言えば、木暮賢一郎が名古屋に移籍したことだろう。
　Fリーグで初のお披露目となった１４節。木暮は先発メンバーとしてピッチに立ち、先制点を挙げる活躍をした。プレーの場をスペインから日本へと移した木暮は「日本のフットサルの指針になりたいと」と試合後のミックスゾーンで語り意欲をみせた。
　この試合、大分のパワープレーはマリオ監督就任以来、最も斬新な攻め方だった。「パワープレーを（戦術として）上手く使えた」（マリオ監督）と開始３分に１ｓｔに仁部屋和弘が加わり大分が早々とパワープレーに出る。５人でボールを回すことで攻撃力の増す大分だが、リスクが大きいことは否めず、名古屋にボールを奪われ失点につながる好機を与えてしまう。
　名古屋は木暮が入ったことでゴール前にスペースができ、５人で攻める大分に対してもフリーの選手が生まれ前線で動くことができた。そのスペースを活かした攻撃の証徴だったのが木暮の先制点だ。４分に北原亘から逆サイドでパスを受けた木暮が右足で振りぬき、名古屋が先制点を挙げる。
　だが、この試合、マリオ監督の作戦が名古屋を苦しめることとなる。パワープレーも含め、息のあったプレーで攻撃を仕掛ける大分の１ｓｔセット。４分に小曽戸允哉が得意のドリブルで左サイドを駆け上がると、ゴール前で合わせた蒲原旭が決め１－１と大分が同点に追い付く。すると、同点ゴールをアシストした小曽戸のドリブルが続々と好機をつくりだす。名古屋が追加点を挙げ２－１とリードされた後も攻撃的な試合を展開した大分は、１３分に小曽戸の放ったシュートをGKが弾くと、詰めた蒲原が体で押し込み２点目を挙げる。直後に、またも小曽戸から流れるようなパスを右サイドで受けた蒲原が決めハットトリック。前半を３－２と大分がリードをして折り返した。

　後半、名古屋は決定的な場面をつくれないまま、時間が経過。３０分から前田喜史を入れパワープレーで追加点を狙いにいく。怪我のシジネイと北原を数十秒単位で交代をさせるなど、アジウ監督の勝利への執念を感じさせる采配は功を奏し、パワープレーで崩れた大分DFの隙を狙ったシジネイが立て続けに２得点を挙げ名古屋が４－３で勝利。
　試合後、名古屋の木暮は「シーズン途中の合流だったので難しい初戦ではありましたが、しっかりとプレーできることが示せて良かったです。今後、良いパフォーマンスを出していきたと思う。パス、トラップ、シュート、ディフェンス、ボールの動かし方や受け方など、総合力を求めてスペインでもプレーをしてきました。総合的なフットサル選手としてのレベルの高さが伝わっていけばと良いと思います」と語り今後の活躍を誓った。

レポート・福原まりこ

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