名古屋が引き分け首位陥落/Fリーグ11節レポート

前日に浦安が暫定首位となり、名古屋は第１１節で勝利しなければ浦安に首位を明け渡すこととなる。対する神戸は、初めての連敗を喫しチーム状況に暗雲がただよう中、監督不在加に加え、ブルノも出場停止と厳しい状況で名古屋戦を迎えることとなった。

「今日の試合は守備を徹底しました」と試合後の記者会見で泰澤コーチが振り返ったよう、神戸は一試合を通して、完全に引いた守備でこの試合に臨んだ。前半、立ち上がりから、名古屋は北原亘や完山徹一が中心となり攻撃を仕掛けていく。しかし、この日の神戸は前節と違い随所で慎重な守備を見せ、名古屋に決定的なシーンを作らせない。特に、崩れかかった２ndセットの須藤慎一、山元優典の堅い守りはこの試合で復活した。だが、やはり相手はチャンピオンの名古屋。神戸の守備の隙をついては、サイドを使った攻撃で、徐々に神戸ゴールへと仕掛けていく。そして、１５分。左サイドの前田喜史が流れるようなパスを逆サイドへ出すと、ニアに走り込んだ北原が押し込み先制。名古屋が１点リードして前半を終える。

後半、名古屋が更に攻撃を強める。北原、前田がコンビネーション抜群のプレーでパスを繋ぐと、シジネイもサイドから強烈なシュートを放ち追加点を狙う。しかし、決定力に欠けるこの日の名古屋は、シュートを全てゴレイロの村山竜三に止められてしまう。一方、守備に徹していた神戸も少ないチャンスを狙い仕掛けていく。残り時間も少なくなり名古屋の勝利が近くなった３８分。右サイドの伊藤雅範から、逆サイドでフリーだった比嘉リカルドへボールが渡ると、「トラップしてからのシュートを警戒していた」とゴレイロ定永久男の不意を突くヘディングが決まり、神戸が土壇場で同点に追い付く。直後に名古屋は、パワープレーで猛攻を仕掛けるも神戸が全員で死守し１－１の引き分けで試合を終えた。

「失点のかたちに問題があり、残念な結果」とアジウ監督が振り返ったよう、名古屋にとっては痛い引き分けとなってしまった。一方、同点に追い付き連敗をストップした神戸は、一安心といったところだろう。

レポート・福原まりこ

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