鈴木磨人が復帰したドリームが快勝/関西リーグ７節

　ドリームが、トーイに４－１と快勝。連勝で勝点「10」で３チームと並ぶが、５位に浮上。開幕ダッシュに躓いたドリームだったが、ここに来て２位も狙える位置まで、大きな上昇カーブを描き出した。

　元Fリーグ・シュライカー大阪に所属した鈴木磨人の復帰は、単なるチーム力アップのみならず、チームの活性化に大きな役割を果たしたことだろう。チームに正式に合流したのは実質「２週間ぐらい前から」らしいが、10.坂口、13.岸本、18.中野、ゴレイロ21.八木ら主力メンバーと共に先発出場した鈴木はさすがに"違い"のある動きを見せていた。

　筆者が個人的に、Fリーグと地域リーグの試合を見て一番『差』を感じるのは"フィジカル"の部分。名古屋オーシャンズから高槻松原に戻った沼田選手も「一番の違いは？」という問いに「フィジカル」と答えていたが、この日「どこに一番違いを感じた？」と鈴木選手に聞くと同じく「フィジカル」と答えた。
　鈴木選手は続けて「フィジカルの中でもとくに走る量」と答えていた。「走る量の違いは、寄せるスピードや一瞬の瞬発力の違いにも現れてくると思うし、(試合の中で)その１個１個の積み重ね(差)は大きいと思う」と続けた。
　実際の試合の中での鈴木選手のワンプレーを切り取ると、後方で、逆サイドに横パスを入れた後、大きく弧を描いてパラで受ける動きに続いて、縦・コーナー付近まで進み、縦パスをもらおうとした後、パスが来ないと察知するやゴールを横切って、逆サイドまで走ってパスコースをつくり続けていた。Fリーガーにとっては通常の走る量、スピードなのかもしれないが、関西リーグの中では"異質"に見えるほど、この動きが目立ってしまう。

　試合の方はドリームが最終的に４点差をつけたが、一方的な展開というワケではなかった。

　前半は１－０と拮抗したゲームだったし、後半６分までにドリームが２点を加え、３点差がついてからは、トーイがパワープレーに出て、ここから１点を返したものの、パワープレーの裏をつかれて２失点。結果としては傷口が広がった形になった。

　ドリームは前半３分、後半も３分と６分に得点。ゲームの立ち上がりに得点を奪えたことで試合を優位に進めることができた。

　前半のドリームの得点はキーパーのブラインドとなったか？左サイドからのミドルシュートが決まったもの。その後もシュート数(前半ドリーム15本、トーイ13本)はさほど変わらなくても、より決定機をつくっていたのはドリームだった。トーイディフェンスの裏をつくスルーパスも通るなど攻撃の形も良かった。16分には17.鈴木のカットからドリームのカウンターが始まり、18.中野に当てて、中野が落としたボールを13.岸本が右に振って、17.鈴木がシュートを打つなどキレイな連係プレーも見せた。
　一方のトーイはカウンターから10.藤井猛が隙をついたミドルを狙うなど、ポイントポイントでシュートチャンスを掴むものの、全体的にドリームからペースを掴む時間帯が少なく、ロングスローも封じられてしまっていた。

　後半３分のドリームの得点は、18.中野の好プレーから。ピッチ中央付近でディフェンダーを背負ってボールを受けた中野が、あっという間のターンで、ディフェンダーを振り切り、最後は右に振って、18.鈴木が難なく押し込んだ。６分のゴールも７.久川が中央をドリブルで持ち上がり、右の17.鈴木に振って、鈴木が逆サイドにまた大きく振ったボールを、最後は６.桜木が詰めるという、崩してのゴール。このゴールで３－０とドリームが大きくリードを広げた。

　点を取りに行かなければならなくなったトーイは、前からのプレス、そして後半15分にタイムアウトをとってからは10.藤井猛をキーパーに入れてパワープレー。流れを変えるための２つの手を打ったが、どちらも大きな効果はなかった。
　前プレに対してドリームは、キレイにつないで回避、ということではなかったが、キーパーのロングスローや、シンプルに前に蹴り出すことで後ろでのピンチを招かず。パワープレーでトーイは、右から11.塩崎のライナー性クロスに逆サイド15.塚本が合わせて１－３、１点を返したが反撃はわずかにこの１点。
　後半18分には、ドリームキーパー21.八木がパントキックを無人のゴールに決めて４－１、19分にも18.中野がキーパーに入っている藤井をドリブルでかわして、無人のゴールに独走。誰も取りに来ない中で、ゆっくり５点目を蹴り込んだ。

　２勝２敗３分となったトーイは９位転落。勝点８の下には、勝点７で３チームが並ぶ。一気に苦しい立場に追い込まれた。地力があり、ピヴォを使った攻撃やロングスローなど、武器もハッキリしているだけに、ここからは"自分たちのフットサルをやりきる力"、自分たちのフットサルで点を取り、勝ち切る力が試されることになりそう。ここ３試合で２分１敗と勝ち星から遠ざかっているだけに、いち早く勝利をあげて、また追い上げムードに乗りたいところだ。