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2008/10/07 23:59:39 意地と本領を見せた試合/日本×キューバ戦レポート2
後半、日本はできるだけ早い段階で同点ゴールが欲しかった。前半で日本の方が『格上』と見てとれたが、ずるずる時間が経てば、後の無い日本にとってはビハインドが大きなプレッシャーになって、覆いかぶさってくる。
そんな日本の状況を救ったのは"またしても"小曽戸だった。 もう"救世主"と呼んでしまいたい活躍ぶり。「神様、仏様、小曽戸様」と呼んじゃってもいい。 決して簡単に取れるゴールではない。24分、中盤でボールを受けた小曽戸は前を向き、ドリブルを仕掛け、2人をかわした上に、キーパーの股下をシュートで通した。「フットサルがまだ良くわかっていないので、ドリブルの仕掛けどころは探っている状態」と話していた男が「カウンターの状況で相手のポジションが悪かったので」と、迷うことなく、伝家の宝刀(ドリブル)を繰り出した。 試合の中では経験豊富なメンバーから指示されることが多い(時には罵倒される)小曽戸だが、「自分からアドバイスを求めているので、ストレスはない」と語っていた通り。代表の中に入っても失敗を恐れず、自分の間があれば迷わず自分のプレーができるのは、"代表定着"のための大きなポイントだろう。 落ち着いて戦える状況を手にし、後半もペースを掴んだ日本は26分、今度は11.稲葉が左サイドをドリブルで破り、逆転ゴールを上げる!これも2人かわして、最後は飛び出してきたキーパーを右足アウトサイドのループをゴールに流し込む、ビューティフルゴールだった。 リードを奪えばもう試合は日本のモノだった。31分、キューバは9.エドゥアルド・モラレスが北原を倒し、イエローカード。これが2枚目でエドゥアルド・モラレスは退場となる。 キューバがフィールド3人となった時間帯、日本はすぐに追加点を奪った。13.稲田のミドルシュート、こぼれ球を盟友・金山がキューバゴールに突き刺し、3-1。金山はポエイラの居るスタンドに向かい、代表ユニフォームの胸部分を握りこぶしで掴んで、何度も胸を叩いた。そしてその後、ゆっくり駆け寄ってきた稲田と、熱く、固い抱擁を交わした。Born'77時代から得点を重ねてきた黄金コンビのゴールは、ワールドカップの大事な一戦で日本の勝利を確実なモノにする、貴重なゴールとなった。 日本は34分にも、川原がピヴォの稲田に当て、稲田が余裕を持ってキープしたところに、稲葉が走りこみ、シュート。キレイなピヴォ当て決まって、4-1。キューバはキーパーの12.フランシス・ロペスがそのまま上がってパワープレーに出たが、これも日本に脅威を与えるモノではなく、後半キューバをゼロに押さえ、4-1、大事な大事な一戦を、見事な逆転勝利でモノにした! 終わってみれば、日本が負けられない試合で"意地"を見せ、互角かやや格下と思われるキューバ相手にきっちり"本領"を発揮した。小曽戸、稲葉のドリブル、稲田のピヴォ当てからのゴール。日本はそれぞれの選手が"特徴"を活かしての快心の勝利と言える。ただ金山・川原を除けば、今回目立った活躍を見せたのは、小曽戸、稲葉、稲田、北原ら前回のワールドカップ『未経験組』であった。小曽戸の召集などはサッポの目が確かだったとも見えるが、反対にこれまでのメンバーが活躍し切れていない現状を見ていると"新旧交代"のタイミングを外してしまったのではないか?とも思えてくる・・・。 日本がキューバに勝利し、2次リーグ進出に向けての"淡い期待"が再び芽生えてきた直後、ロシアは(日本がもたついた)ソロモン諸島相手に31ゴールを奪い、大勝してみせた。 ソロモン諸島戦ではバラバラに見えた日本代表が、まとまった戦いを見せてキューバに勝った。 しかしソロモン戦後に「チーム内で特に話し合いは持っていない」と言う。快心の勝利の後にこんなことを書くのも何だが、短時間で信頼関係や人間関係が修復・改善されるとは思えない。キューバ戦は「勝たなければ終わり」という状況が、"我"を押さえてでも、チームのために働く方向へ、各々(おのおの)を導いたのではないだろうか。 ソロモン戦とキューバ戦を見比べれば、"チームとしてどう戦えば良いか"はハッキリしたのではないかと思う。 1次リーグ最終戦。日本が2次リーグ進出をかけて戦うロシアは、日本より、遥かに強い。 チームとして戦わずに勝利は無い。ワールドカップ『経験組』の力と意地も見たいし、それには十分な舞台も整った。 何より、最後まで、チームとして戦い、悔いのない試合をして欲しい。 ※後ほど、写真もアップ予定です。 レポート・写真:北谷 仁治 |