３位近鉄、５位トーイの大阪ダービーはドロー/関西リーグ６節

　※６節のレポートは、４～６試合目の３試合のみ、となります。恐れ入りますが、予めご了承ください。(_ _)

　５節終了時点で、２勝１敗１分で３位の近鉄と、２勝２敗１分で５位のトーイの対戦。
　お互い勝ってさらに上位に食い込みたいところ。大阪のチーム同士の対戦。

　トーイはいつものように、10.藤井猛のキックオフシュートで試合開始。

　近鉄が押し込んだが、先制はトーイ。６分、左サイドのコーナーキックから、17.瀧川が後方の７.河内へ、河内が瀧川に戻して、瀧川が平行、ゴール前に送ったボールを最後は10.藤井猛が合わせて、１－０。得点直後にも、15.塚本がキーパーとの１対１もかわしてシュートを打ったが、これは右ポストで、トーイ連続ゴールはならず。

　近鉄は７分、好調を持続する20.稲田が、ゴール前でフワリと浮かせて、ディフェンダーをかわし、シュートが決まって、１－１。
　同分、カウンターから近鉄は23.塩谷が浮き球をボレーで狙うがゴール右。近鉄のチャンスが続き、８分、ピヴォの18.野口が左に流して、戻しを野口がシュートするが、トーイゴレイロ21.南がセーブ。９分、ゴール左、ペナルティエリア内からの20.稲田のシュートも南がセーブし、追加点を許さない。

　しかし10分、近鉄は23.塩谷が、トーイの後列でのパスカットを持ち込み、シュート。南も弾ききれず、２－１と近鉄が逆転に成功する。

　11分にも19.楢崎とのワンツーから、近鉄は25.山口がシュートを放つが、シュートは左にそれる。近鉄が押し込む時間帯が長い。

　13分、近鉄は左サイドから、25.山口が中央18.野口へ。シュートはキーパーが弾いたが、こぼれ球をもう一度18.野口が押し込んで、３－１と近鉄がリードを広げる。

　16分、トーイは、左サイド、裏に走り込んだ15.塚本にゴールスローが通って、77.山内につないでのシュートは右にそれる。前半は３－１、近鉄が２点のリードで折り返す。

　後半はチャンスをモノにしたトーイが盛り返した。

　後半立ち上がりの21分、トーイはカウンターから左サイド、17.瀧川が決めて、２－３、１点差に詰め寄る。
　その後もカウンターから１.藤井徹がチャンスを得るなど、トーイは、カウンターから好機を掴む。

　26分、近鉄は18.野口のシュートのこぼれ球を20.稲田が押し込もうとするが、バーに弾かれる。23分、トーイは77.山内が左サイド前線の15.塚本に送って、こぼれ球を11.塩崎のシュートは、ゴールの上。

　カウンターを警戒してか、これまでの試合の課題である"ボールの失い方"を考えてか、近鉄は後ろでボールを回す時間帯が長くなる。

　６分を切って、近鉄は５ファウルが溜まり、トーイベンチからはすかさず「どんどん仕掛けろ」の声が飛ぶ。

　16分、トーイ７.河内と近鉄20.稲田がもつれて転倒。河内のファウルにも見えたが、反対に稲田のファウルが取られて、トーイは第２PKを得る。しかし、10.藤井猛のシュートは、近鉄ゴレイロ２.古庄がセーブして、同点ならず。

　トーイは懸命に前からもプレスをかけるが、個々のテクニックが高く、プレス回避がうまい近鉄は焦ることなく、簡単にボールを失わない。

　近鉄が逃げ切るかと思われたが、残り１分半、トーイは21.南のゴール前へのライナーのゴールスローが、18.野口がクリアしそこなって、ゴールに収まる。３－３、トーイが土壇場で、試合を振り出しに戻した。

　必死の反撃の近鉄は、39分、18.野口、20.稲田とつないで稲田のシュートはトーイ７.河内がスライディングブロック。15.三宅、13.田村とつないだボールはシュートが浮いてしまう。試合はそのままタイムアップ。３－３、近鉄とトーイが勝点「１」を分け合った。

　試合後、後片付けが残るが、すぐに集まってゴール前で、スタッフも含めて全員で集合写真を撮るトーイ。「いろんな面でがんばってくれた」という、ゴレイロ31.坂元がこの日が最後の試合。「勝って胴上げしたかった。同点でも満足はしていない」と、７.河内は大事なメンバーの最後の試合を勝利で飾れなかったことを悔しがる。
　「前半はやりたいようにやられた」が、「前半の内に１点差にできたので、いけると思った」と試合を振り返る。トーイが後半に自信を持つのは「全日本選手権、大阪府リーグ、関チャレ(関西リーグ参入戦)、厳しい状況を切り抜けてきた」経験があるからだ。「ピヴォを警戒しすぎて、引きすぎた」のを、前半やられた原因とし、「マーク時の距離を詰める」ことで後半はリズムを掴んだ。
　しかし後半の立ち上がりのゴールで１点差に迫ったが、その後はゴールが遠かった。「立ち上がりに決めれたのは良かった。チームも勢いに乗った」とするが、その後「チャンスはたくさんあったが、決め切れなかった」ところで、苦しい展開となった。
　最後は大きな武器でもある、南のゴールスローから同点弾が生まれたが、前節も残り40秒というところで、高槻松原に同点とされ、これで２試合連続の引き分けとなった。
　それでも「いつも９月、10月から(チーム状態が)上がる。去年のように上げて行きたい。全日本選手権(関西大会)も連覇したいし、地域チャンピオンズリーグもまだあきらめていない」と締め括った。

　近鉄の20.稲田選手は「決めるところを決め切れなかった」とやるせない表情。近鉄からすれば、３点目はわかりきっていた形からで、不運な失点とも言えそう。それでも稲田は「点を取ってるのも30オーバーばかり。誰が出ても、回せるようにしなければいけない」と若手の奮起を促す。
　フットサルを良く知る稲田の加入は、近鉄にとって大きなプラスに思えたが、稲田は「練習には行けてない」状態だと言う。試合の中でも当てるタイミング、ピヴォに当てた後の動きなど、セオリーどおりに動けない若手選手に、注文をつける場面が相変わらず目立っている。このあたりの細かい動き、タイミングがが普段の練習の中で"刷り合わせ"できれば、お互いの持ち味がさらに発揮されそうなところであり、もったいない。

　この引き分けで、３位・近鉄、５位・トーイの順位は変わらず。首位のフュンフがジョイに破れたため、首位との勝点差はそれぞれ「７」、「８」に縮まった。後半戦、上位を狙える位置につけて折り返した２チームにとっては、大事な中断期間となりそうだ。

後半開始早々、１点差に迫るゴールを上げた、17.瀧川

後方からの声出しで常にチームを勇気づける７.河内

先制ゴールを上げた10.藤井。ピヴォに張るだけでなく、この日はドリブル突破も見せた

鮮やかなゴールを奪った20.稲田。単身長野の大原学園・ジョナスの元へ通うなど、フットサルへの貪欲な姿勢は秀逸だ

レポート・写真：北谷仁治