アルプラナス、カフリンガから首位の座奪う/関東リーグ７節

　８/24(日)に行われた、関東フットサル１部リーグレポートです。

　第２試合目はカフリンガ×アルプラナス。カフリンガは今季、関東リーグに昇格したばかり、にも関わらず前節まで４勝１敗１分、勝点13で首位に立っていた。
　一方のアルプラナスも(５節までを)４勝１敗、勝点12、首位カフリンガを勝点１差で追っており、この一戦は"首位攻防戦"でもあった。

　試合は立ち上がりから"噂の"カフリンガ19.垣本右近が魅せる。開始40秒には相手ゴレイロが前に出ているのを見ていて、ハーフラインより後ろから、ロングシュートを狙うなど、ひとり際立つ存在。３分、その垣本右近が右キックインからのボールを決め、１－０、カフリンガが先制。垣本右近はこのゴールで開幕から７試合連続、全ての対戦相手からゴールを上げたことになった。

　カフリンガがひいて守ることもあり、攻撃のリズムが掴めるアルプラナスは６分、右サイドでうまく入れ替わって、６.緑川がシュート。そのこぼれ球を５.浅見が押し込んで、１－１。さらに11分には11.出浦が右サイドでボールをカット。ドリブルで左に流れて、シュート、と見せてさらに角度をつけたシュートパス。これに走り込んだ５.浅見が合わせて、２－１とアルプラナスが逆転に成功する。

　カフリンガも18分、右キックインからのこぼれ球に反応した19.垣本右近が、打つと見せて中に切れ込んでシュート。これが決まって２－２。アルプラナスが５ファウル溜まったが、前半は２－２のまま終了した。

　後半もシーソーゲームが続く。

　24分、カフリンガは左サイドから、またも19.垣本右近が決めて、３－０。ドリブル突破からこぼれ球を再び押し込んで、ハットトリックを達成。左コーナーに集まっていたカメラマンの前でポーズを取ってみせる。

　それでも運動量の落ちないアルプラナスは28分、左サイドから19.山崎が決めて、３－３、再び試合を振り出しに戻すと、29分、前半２点目と同じように右サイドでパスカットした11.出浦が持ち込んで強烈なシュート。これが決まって、４－３、アルプラナスがついに再逆転に成功する。

　ここからはお互い互角の勝負を見せ、スコアは動かない。33分あたりからは両者ともに攻撃が散発。厚みのある攻撃が無くなってくる。懸命の反撃を見せるカフリンガは19.垣本右近、14.橋田の絶妙なコンビで幾度となく決定的なチャンスを掴むが、ポストにも嫌われ、決定機がゴールにつながらない。

　試合は結局４－３のままタイムアップ。アルプラナスベンチは浅野監督を筆頭に優勝したかのような大騒ぎ。２試合目を終わった時点で、アルプラナスが(第１回大会以来という)単独首位に躍り出た。
※この後、第３試合でフウガが勝利し、第７節終了時点では、得失点差で上回ったフウガが首位に立ちました。

　開幕から連敗スタートとなったもののその後は５連勝とアルプラナスの勢いが止まらない。「２敗してから花巻にプレマッチに行き、アウェーの中で試合をした」ことがチームが変わった"キッカケ"と、浅野監督。「ウチは若い選手が多いので、落ち込むと暗くなるけれど、『どれだけできるか、ガマンしてやってみよう』と話し、大アウェーの中で気持ちよく試合ができた」と振り返る。
　「やることをハッキリする、ガマンすべき時間を耐える、(点を取る、守るなど)それぞれの特徴を活かした戦い方をする」ことと「負けてもいいので、プラスアルファ、練習でやっている(旋回などの)戦術を試そう」と話しており、去年は１年間で５回ほどだった浅野監督の練習参加も、今年は月６～７回と急増したことも、チームのまとまりある戦い方に結びついているようだ。
　新メンバーが加わってきた中でも結果を出せている点について、浅野監督は「ボクのところだけでなく、FリーグやJリーグで、お金を取れる選手になって欲しい」とポリシーを伝える。かつては府中水元とマルバ(アルプラナスの前身)の２強だったが、「練習もやってるか、やってないかという状態だった」とマルバはやがてリーグで低迷するようになる。そのとき浅野監督が「何をしなくてはいけないのか」考えたときに出てきた答えは「人を育てること」だったと言う。それが８年前のことで、その１期生が、この日活躍した５.浅見や19.山崎だ。浅野監督の理念が、今年の関東リーグで、ひとつの結果を出そうとしている。
　試合は最後まで余談を許さない厳しいゲーム。勝因について聞くと「どこにもなかった」と答え、「選手たちは最後までよく戦った。(自分が)出たくなるくらい、楽しい試合だった」と、終始笑顔で試合を振り返っていた。

　一方のカフリンガ。「点が取れても、取られちゃう。(コロナFC)権田戦からの課題ですね」と垣本右近。「ずっと失点が多い」と14.橋田も失点の多さを嘆く。垣本は「失点したくない時間帯で失点して、流れも良くなかった」と振り返り、特に終盤、チャンスがありながらなかなかゴールが決まらなかった点については「ああいうのは気持ちの問題だと思う」とし、「４点目もウチのミス」と悔しがった。
　引いて守ることで相手にペースを掴まれていたのでは？という質問に対しては「いつもより前で行こうとしたけれど、思ったより裏を取られた。相手に回させてもOKだったけれど、プレッシャーがかかってなかった。自由にやらせてしまった」(垣本右近)。カフリンガのプレースタイルについては「引いて守って、カウンター狙い」と14.橋田は説明し、今日の試合に関しては「寄せが遅かった。プレスのかけ方がうまく行ってなかった」「リードされている時間のフットサルが下手」と修正点を上げた。
　後半戦に向けて、橋田は「(前半戦)４勝２敗１分は悲観するものでない。抜けて強いわけでなないので、個々のレベル、チームのレベル、足りないところを上げて行きたい」とし、「首位とは(勝点)２差。直接対決もあるので、最後に首位になれるようにがんばりたい」と締め括った。