前半は神戸、後半はクロタロのゲーム/関西リーグ４節

　前半は神戸３－０クロタロ奈良、後半はクロタロ奈良３－０神戸。前半は神戸、後半はクロタロ奈良のゲームだった。

　神戸はカウンターから５分、11.森のボールを７.大下がダイレクトで合わせて先制のゴール。

　クロタロ奈良は旋回などを多用して、相変わらずのムービングフットサルからチャンスを伺うが、シュート、ラストパスの精度が低く、ゴールが遠い感じ。また守備の堅い神戸はクロタロ奈良のサイドのアラに対して、ディフェンスが距離を詰めて守るため、クロタロ奈良は前へのパスの出しどころに窮する場面が目立つ。

　11分、神戸は縦へのロビングパスを７.大下がヘッドで合わせて２点目。12分には、９.水口が７.大下とのパス交換から追加点を上げて３－０。前半は７.大下の２得点１アシストの活躍と、セービングだけでなく裏のスペースも消す、守備範囲の広いゴレイロ19.田中の活躍もあり、３－０と一方的な展開で前半を折り返す。

　「前半が出来すぎた」とはケガでコーチ役をかって出ている８.宮田のコメント。ハーフタイムでは「０－０の気持ちでやろう。耐えてカウンターを狙おう」と確認したが、「後半開始直後の失点で浮き足立ってしまった」と言う。

　そのクロタロ奈良の反撃弾を上げたのは、他チームからの評価もうなぎ上りの14.寺嶋。６.中本が左サイド、パラに出したボールを決めて、１－３。６.中本はこの日こそゴールならず、開幕からの連続ゴールが途絶えたが、両足で挟んだボールを、ジャンプしながら体を横にひねって、ピヴォに浮き球のパスを送るなど、この日も"曲芸プレー"を披露していた。

　試合は前後半あわせてもクロタロ奈良のシュート数が24本、神戸が26本と少なめ。クロタロ奈良が支配し、神戸がカウンターを仕掛けるという構図ながら、お互いシュートまで持ち込む前に相手の守備網に引っかかることが多かった。

　試合は１－３のまま残り３分を切ってクロタロ奈良の敗色が濃厚に･･･。しかし19.村橋がチームを救った。38分、左サイドから得意のミドルシュートを決めて、２－３。直後に神戸がタイムアウトを取るが、クロタロ奈良のリズムは変わらず。39分、右コーナーキックから、再び19.村橋が放ったシュートは、キーパーのブラインドになったか？ブラウンだーのシュートがゴールに収まって、３－３。試合はそのまま３－３の引き分けに終わった。

　３分を切ってからの２得点でチームを救った19.村橋は「何か勘違いしている。下手なりに気持ちを出して戦わないと」と、引き分けにも納得のいかない様子。「ボールを回すことはできるが、点を取れるかが課題」と、16.長谷部選手兼監督も引き続き、決定力不足に苦言を呈す。この試合を前に、「方向性の違い」で８.大谷真一がクロタロ奈良を抜け、ジョイに戻った。「何が正解と言うのはないと思うけれど、ボクたちはムービングフットサルがしたい。大事な選手なので引き止めたけど、シンはシンでやりやすいチームでやるのが一番だと思う」と移籍を認めた。

　一方の神戸。「ハーバーの時代から、鈴さん(鈴村拓也)が居たときからキーパーをしていて、『耐えられへん奴はいらん』と言われていた。ボクのせいです」と、前半の大活躍にもかかわらず自分を責めたのは19.田中。(去年まで居た)中尾監督にも「他のチームに入ったらいいゴレイロやのに」「せやからいつまでも第２キーパーやねん」と言われ続けてきた。後半の３失点は"先人たち"の声が聞こえてくるもったいない引き分けとなった。しかし耐える神戸、守れる神戸が復調してくれば、「メンバーは変わったが、攻撃面では上がっている」と、８.宮田も手ごたえを掴んでいるだけに、このままでは終わらないハズだ。

広い守備範囲で、前半はクロタロ奈良を無得点に抑えた19.田中

ムービングフットサルにこだわるクロタロ奈良。ボールは支配するが、結果が出ない

チームを救った19.村橋。強烈なミドルはクロタロ奈良の大きな武器

３－３の同点弾も19.村橋。しかしチームの出来にはまだまだ不満顔だった

レポート・写真：北谷仁治

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