王者ジョイと昇格だいふごうがドロー/関西Lレポート１

　昨年度王者のジョイが、初参入のだいふごうと引き分けた開幕ゲーム。

　ジョイはチームの中心だった双子の大谷兄弟が離脱。(兄・純一はFリーグ・デウソン神戸へ、弟・真一へ関西リーグ・クロタロ奈良へ)
　しかし去就が注目された13.長束、14.成田らの姿があり、大谷兄弟の他には大きな戦力ダウンはなし。これなら全日本選手権で(ゴレイロ不在だが･･･)DC旭川と互角の勝負を演じたメンバーで、十分に関西リーグを戦えるハズ。さらに13.中井、15.圷が新加入。監督要因として、滋賀の強豪ジュントスから、滋賀県選抜の監督も務める牧野を招き入れた。

　試合は「大谷兄弟が抜けたから弱くなったと言われたくない」というジョイが前半11分、得意の形から、先制ゴールを上げる。
　ゴレイロ２.斉藤からのロングスロー。最前線11.馬場が受けて、シュートのこぼれ球を新加入の13.中井がグラウンダーのシュートで押し込んだ。

　この時間帯はむしろだいふごうがペースを握り、ジョイ陣内に押し込んでいたのだが･･･。だいふごうも十分に研究・対策を立てていたハズだが、自分たちが"攻撃ができる"ことで、"意識が前がかりになる"ところに飛び出すジョイの十八番(おはこ)のロングボールカウンターは、思いのほか防ぐことが難しいようだ。

　15分にはジョイゴレイロ２.斉藤の４秒ファウルから、だいふごうは23.吉田、13.松岡がシュートチャンスを掴むが、２.斉藤が連続セーブ。ゴールを許さず、前半は１－０。ジョイのリードで折り返す。

　後半も先にゴールを奪ったのはジョイ。26分、前半と同じように、だいふごうが攻め込んだ後にジョイのカウンター。最後は12.長束、11.馬場とつないで、２－０。ジョイが２点のリードを奪う。

　好調時はここから畳み掛けるようなゴールラッシュを見せたジョイだが、この日は直後に失点をしてしまう。
　27分、右サイドのフリーキックから、だいふごうは25.越智、５.入部(いりべ)とつないでゴール。だいふごうが１点を返す。

　「相手は去年の覇者。僕らはチャレンジャー」(25.越智)というだいふごうは前半をリードされて折り返したとはいえ、『やれる』という手ごたえは掴んでいただろう。後半も序盤に２失点目を喫したものの、すぐに１点を返せたのは展開的に大きかったハズ。
　「練習では走り込んでき。(終盤、体力が落ちなかったのは)走ってきた成果だと思う」(25.越智)と話すだいふごうは、その後も走り負けすることなくペースを掴み、33分、ゴール前のボールを押し込んで、２－２の同点に追いつく。決めたのは、またしても５.入部だった。

　試合はそのまま、２－２の引き分けに終わった。

　「走り込んできた」というだいふごうに対して、ジョイのほうは終盤ペースダウンが目立った。要因にはケガなどで「予定していた形で、選手を使えなかった」(牧野)ことがあるようだ。
　その背景にはジョイが慢性的に抱える"メンバーの少なさ"もある。関西の中心からは離れているが、滋賀には好チームも好選手も多い。しかしジョイが全国で実績を積むほど、チームに入る「敷居が高くなっている」(牧野)ようで、人数不足は、簡単には解決しそうにない。
　しかし逆にそんな中でも、昨年、滋賀県リーグで得点王となった13.中井(前ルネス学園)のように、"上の舞台"を求めて入ってくる"気概のある"新人は楽しみ。
　「まだ組織的な動きに慣れていないけど、時間が経って、自分の持ち味が出せるようになってくれば楽しみ」と牧野監督も期待を寄せる。

　対するだいふごうは、13.松岡、23.吉田を中心に、十分に昨年度覇者のジョイを苦しめた。関西リーグへの手ごたえも掴めただろうと質問してみれば「全然ない。がんばるだけ」(25.越智)とのこと。しかし２－２と追いつき、金星を目の前にしても、焦りや緊張、勝ち急ぐ様子もなく、これまで通りのプレー、戦い方を続けたところにだいふごうのフットサルへの自信を垣間見た。

　特に『阪南大のメッシ』と呼ばれていたという23.吉田はスピードだけでなく、テクニックも併せ持ち、注目に値する選手。

　前評判はいまひとつだった、だいふごうだが、関西リーグでも十分に通用するところを見せつけた。